新潟青年部 植木瑛 さん
今回の研修会はオンラインにて、1日目の講演『茶道具について学ぶ』のみ参加させていただきました。初めて栗林先生のお話を拝聴し、お道具についてだけでなく、扱い方も知ることができ大変勉強になりました。
茶道具は私にとっては気軽に購入できるものではないため、これまで自身で購入する機会はありませんでしたが、色々な芸術作品を見ることが好きなため、近くのギャラリーで展示会がある際は目の保養をしに行ったり、美術館や工芸館に足を運んだりすることが多々あります。見るだけで満足しお道具について学ぶことはほとんどなかったため、この機会をとても楽しみにしておりました。
普段のお稽古では、教室の関係で使わせていただけるお道具が最小限のため、決まったお道具の扱い方しか知識がなかったのですが、1つ1つに意味があることも学べ、今後のお稽古に活かしていきたいと思いました。
具体的には、『お茶碗を使う際はたっぷり水分を吸わせる』この作業自体は先生から教えていただいたことがありましたが、お茶碗に汚れがつきにくくなること、お客様に出すお茶碗の状態(キズ等がないか)を確認するという意味もあることは初耳でしたし、お道具の箱の中にある紙や布も一緒に干した方が良いこと、茶会後の床は埃やゴミが落ちているためお軸は床で巻いてはいけないこと等、目から鱗の連続でした。栗林先生が実際に見せてくださった紐の結び方についても、とても不得意分野であるため、実際に手元に箱を用意しておくべきだったと後悔しました。メモを元にたくさん練習したいと思います。
最後に、現地まで伺わずともこのような貴重な機会を与えてくださった栗林先生、ブロック役員の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
高岡青年部 扇原理美 さん
今回の研修は二日間に渡り行われました。
1日目は、越中瀬戸焼の窯元「千寿窯」にて吉野香岳先生指導の下、『茶碗への絵付け体験』と、茶道具販売を行っている「栗林園」の店主・栗林満先生より茶道具の扱いについて講演と指導をしてもらうというものでした。まず茶碗の絵付け体験ですが、3色の染料で真っさらな茶碗に絵付けをしていきます。「土台が土で出来ているため、染料の乾燥が早いですよ。それと、同じ場所に二度筆を置かないように。」と、アドバイスを頂いていたのですが、実際行ってみると筆をつけてすぐに土に色が吸い込まれていきます。染料はサラリとした質感で、水彩絵の具で絵を描くのとは異なる難しさがあり、初体験が新鮮で楽しかったのと同時に、職人さんの技術の凄さを身をもって知ることができました。
茶道具の扱いについての講習では、栗林先生の豊富な知識にメモを取っている手が追い付かなくて大変でしたが、“釜や花入れ等、水分を多く含むものから片付けを始める”といった基礎中の基礎でありながら意識をしていなかったことなど丁寧に教えていただきました。また、私たちが最も扱うであろう、箱を括る真田紐の結び方を実習することもできました。これからのお稽古に即活用していける知識と実技を学ぶ良い機会をいただきました。
2日目は現ブロック長であり、料亭「鎌仁別荘」店主小野谷佳剛先生より『家庭でできる懐石料理』の実習がありました。題材の中に「鯛の昆布締」があり、自分達で魚を切り身から刺身に切るところからはじまります。刺身に魚を切るなんて初の体験でした。
「包丁の重さと刃全てを使って切ってください」
と練習を交えながら教えていただき、見栄えの良い刺身を切る事が出来、自分でも驚きました。 また、料理だけでなく『おもてなしの心』と題して、茶道で人をもてなすということや、もてなされるということについての講義もあり、「和敬清寂」という言葉を知っているだけでなく、いかに実践していくかが大切なのだと考えさせられました。
密なスケジュールで振り返ればあっという間で、時節柄オンラインでの研修が増えていますが、現地参加で、他県の研修チームの方々と共に実践研修できた事が良かったし、とても嬉しかったです。研修を企画してくださるブロックの皆様、そして推進して頂いた青年部の皆様に心から感謝致します。ありがとうございました。
石川青年部 階戸愛里菜 さん
研修チームに入ってから未だに現地参加が出来ていませんが、今回もオンラインで参加させて頂きました。ZOOMでの配信は通信が不安定になったりと大変な中、現地参加出来ない研修生のためにも学ぶ機会を与えて下さる青年部の方々にいつも感謝しております。
研修Ⅱ『茶道具について学ぶ』
自身で持っている茶道具は少ないのですが、普段稽古で茶道具の取り扱いをする時はいつも粗相をしないようにと緊張感を感じながら扱っています。今回茶道具の取り扱いに精通されている栗林さんのお話しを聞き、今まで慎重に取扱っていたつもりでもあの時の扱いは良くなかったのじゃないかと振り返る機会になり、また、今後自分でお道具を購入した時にもこのように扱えば長く良い状態で保つことが出来るのかと知ることができ、よりお道具の扱いに気を付けなければと思いました。
懐石料理を客お客様に提供する際にはおもてなしの心が伝わるようにとのことで、研修前はどのように表現したら伝わるのだろうと考えておりました。おもてなしの心を表現するためには、来て下さるお客様が、どのような思いで来られるか、何を食べたいと考えているかなど相手のことをよく考え、料理を提供する際には一番美味しいと感じられる状態(ご飯なら炊き立てを食べられるように逆算して炊くなど)で提供するのがおもてなしの心得だと学びました。また、根底には茶道においてのおもてなしの基本でもある「利休七側」や茶道の心得である「和敬清寂」の精神があることもしっかり忘れてはならないなと思いました。
迫る卒業茶会では点心チームの一員として、どのような内容にするか考えている所ですが、研修で学んだことを活かしつつ、どのような茶会になるのかと楽しみにして下さっているお客様に自分達なりのおもてなしの心が伝わるように、なぜその料理を出すのか、どのように提供すれば美味しく召し上がって頂けるか、食べてもらう相手のことを考えた点心が出来るよう頑張りたいと思います。