北陸信越ブロック第10期研修チーム 第4回研修会 レポート

開催日程:令和4年3月19日 、20日
開催場所:研修Ⅰ、Ⅱ 市⺠交流施設高田城址公園オーレンプラザ(新潟県上越市)
研修Ⅲ  レストラン フィーヌ・ゼルブ
研修Ⅳ 高田城址公園  (すべてzoom併用)
講師:研修Ⅰ 株式会社 能作 代表取締社長 岡 能之氏
研修Ⅲ 龍雲寺住職 細川晋輔氏
研修Ⅳ 寺よが代表 疋田運琇氏

 高岡青年部 川上 香菜子  さん

第4回研修会が新潟県の上越市で開催されました。私にとって、この研修会は北信越ブロックの青年部の方々と交流を持つことができる貴重な機会であり、とても楽しみにしております。「お茶を学びたい」という気持ちと共に、淡交会青年部から勉強の機会をいただいたことに感謝し、オンラインではなく現地参加しております。卒業茶会までの時間も迫っておりますが、オンラインではなく、チームの皆さんと直接色々なお話ができる時間をとても尊く感じております。

研修では、コロナ禍の青年部増強と青年部会員の増強」について議論されました。会員問題はどの支部にとっても悩ましい問題ですが、幸いにも淡交会青年部は研修会の前週に3人もの新会員を迎えることができ、この喜びを研修会でお話させていただきました。

 

コロナ禍でオンラインが多く、リアルで会えない中、会えた研修チームの仲間と卒業茶会をどうするか、話せてよかったです。ご縁があり、出逢った20名。良き茶の友として、研修最後にある卒業茶会を、お世話になった方々への感謝の気持ちで、取り組みたいと思います。

 

 

 石川青年部 小西 小百合 さん

今回の研修はオンラインと現地のハイブリット開催につき、翌日に娘の誕生日が控えていた為、ありがたくオンライン参加とさせていただきました。

研修の「加賀の工芸を学ぶ」では全国の産地別漆器の特徴や蒔絵技法について分かりやすく解説頂きました。なお、私の地元でもある石川3エリアの漆器の特徴や発展の歴史を、曖昧だった事も再確認でき、これから出会う漆器のお道具をより深く楽しめる学びになりました。

また、ブロック役員の方を交えたディスカッションは初めて触れる発想もあり、今後の活動への意識が変化しました。会員に対し楽しいと思える組織にし、会員が同じ社中の方に勧めたくなるような組織作りも大事ですが、茶道に興味があるが経験がない方にも参加して頂ける行事を開催し青年部入部、そこからお稽古を始めるという流れを作っていければ組織として活性化が図れるとのことでした。

そして、「禅と茶道の関わりについて」のご講演では、茶禅一味について解説頂きました。細川氏の厳しい修行の過程をお聞きすると胸が締め付けられ、煩悩にまみれた私は、楽して幸せになる方法があるのに、どうしてその道を選択なさるのか理解に苦しみました。ご飯はお腹一杯に頂きたいし、温かいお布団でぐっすり8時間程眠りたいです。その〈あたりまえ〉を〈ありがたい〉にするには、非日常を体験することが不可欠なのだそうです。

さらに、十牛図の優しい解説もありました。十牛図は修行の過程を10段階で表し、1段階目の〈尋牛〉牛を見つけよう!から10段階目の〈入鄽垂手〉周りのことも幸せにできる状態までを例えたものです。茶道での現在の私は4段階〈得牛〉でまだまだ思い通りにならない段階かと思います。3段階目の〈見牛〉おぼろげにみつけた時のほうが満足していましたが、学び足りない事を見つけると、なんとか身に着けようともがき苦しむ様子がまさに〈得牛〉のようです。

最後になりましたが、お子さんご誕生の中で研修頂いた岡氏、オンラインでも分かりやすくご講演頂いた細川氏、またこの研修を企画、準備等に携わり頂きました皆様に感謝申し上げます。

   

福井青年部 稲木 美優  さん

研修Ⅰ「加賀の工芸を学ぶ」本研修では、漆器の説明をメインに金沢の茶道にまつわる工芸品についての説明をして頂いた。
印象に残った内容として、
・石川県の輪島塗、山中塗、加賀蒔絵それぞれについて特徴や違い
・漆そのものの需要の減少、そして職人も減少している中で、抗菌作用や修繕用途など漆の持つ利点や魅力
などがあった。

特に、漆の技法については第3回研修会の内容と近い部分もあり理解しやすかった。各蒔絵について、様々な素材を用いての装飾についても説明があり漆器の理解が一層深まった。

また、質疑応答にて日常使いにおける漆器の取扱(お手入れ)についての説明をして頂いた。普段使用することの少ない素材は取扱の不安があり利用することへのハードルが高く感じる。お気に入りのお道具を長く大切に使い続けられるよう、道具のお手入れについてもしっかり学んでいく。

研修Ⅱ「コロナ禍の青年部活動と会員増強についてのディスカッション」

本研修では掲題の通り、各青年部でのコロナ禍における取り組みを情報共有し、今後の会員増強のためにどういったアプローチをすべきか意見交換を行った。
コロナ禍の活動紹介で印象の強かったものとして、
・お茶碗を回収せずにそのままお客様にお持ち帰り頂くお茶会
・地元のお菓子屋さんの和菓子を会員で食べ比べる
などの活動があった。

自身の所属青年部では、どうやってリモートでも今までの活動に近いことができるか、という活動の工夫が多かったように思う。
今までの常識を大きく転換させて、新しい楽しみ方を生み出しているアイディアは大変参考になった。
今後の会員増強の意見交換について、まず、どの青年部も抱えている問題だということを知れて良かった。
青年部に関わる(活動を知る)きっかけを増やす、既に所属している会員自らが研鑽を積み、後進をつくるといった意見があった。
様々な立場の意見を聞く中で、青年部活動そのものが楽しい居場所であるような活動を続けていくことが大事だと感じた。

研修Ⅲ「禅と茶道の関わりについて」

本研修では、日本での茶道成立の説明を通して禅との繋がりを示され、十牛図を追いながら茶道から得られる心の成長についてわかりやすく説明頂いた。
十牛図の説明全体を通してまず「道」を学ぶことの難しさを感じた。一方で講演の内容をとおして、様々な学びに禅の考え方ができるのだと思い、禅語への興味が湧いた。
特に印象に残っている部分は「騎牛帰家」「忘牛在人」の説明である。
10年近く茶道を学んできて、季節ごとに、節目ごとに繰り返すお稽古は常に発見と気づきの連続だと感じていて、その面白さが私の茶道を続ける原動力になっているのだと改めて実感することができた。

話を聞きながら自分は茶道をどれだけ学べているだろうかと振り返り、また生涯学ぶことのできる茶道というものへの愛着が深まった。