平成23年9月16日(金)
開催場所:赤和窯(長野県高山村)
参加者数:青年部13名
講師:荻原 恒夫先生、小池智久さん
行事内容
先日の登録会員とともにの行事で作ったお茶碗や花入れの窯焚きの様子を見学させていただきました。
所感
車のヘッドライトの両脇に風に揺れているコスモスが見える暗い山道を探検気分で上がりながら、赤和窯に到着しました。車を降りると虫の声が聞こえるなか、いぶしたような煙の匂いがしてきました。
暗い中電気がついてそこだけ明るい穴窯の前で、荻原先生とそのお弟子さんたちが薪をいれたり、温度の状態を紙に書いていたりしていました。先日のお礼と今晩の見学のご挨拶をいたしまして、先生のご案内により窯の外側を恐る恐る一周。サウナのように熱く、小さな横穴からも火が噴き出し、足元の石板を外した通気口からはこってりとしたオレンジの炎の流れが見え、その炎のもとになる薪を入れる大変貴重な体験をさせていただきました。1200℃前後を示す窯の内部の温度を示す温度系を見ながら、薪を入れるタイミングは7~8分に一度、前に入れた薪が燃え温度が上昇し燃え尽きて温度が1度下がったところで薪を5~6本、窯の口から遠すぎず、近すぎずの力加減でサクサクと投げ入れます。窯の口の蓋をあけるとオレンジの炎の光で中はあまり見えませんし、顔は熱でちりちりと痛みました。窯の熱を体験させていただき、重要な作業の一部を私達がすることをお許し下さった先生に感謝申し上げます。そのお礼になったかどうかはわかりませんが、何かお手伝いさせていただくということで、機械を使って薪を割ったり、離れた小屋か窯の近くまで薪を運びいれました。人手があることはすごいことで、バケツリレーのように薪を手渡ししながら、みるみる薪が移動していきました。窯を外から見ていると、煙突から先ほどの薪をいれた作業をしたときに発生するくすんだ赤い三角形の炎と、もくもくと空に上がる黒い煙が上がっていました。普段は先生お一人で薪を運ぶこともあるそうですが、陶芸家とはかたちを作る繊細な作業を思い浮かべますが、作品を焼くための薪を準備する地道な作業もあり、最後は体力との闘いなのかもしれないと思いました。
自分の作品を、自分で薪を運び、割り、窯に入れて焼いてきた(かなり大げさでおこがましく荻原先生申し訳ありません)そんな達成感と心地よい疲労感で家に帰るとすぐに眠りにつきました。翌朝目が覚めると、ふと昨夜の穴窯のことが気になりました。こうして私達が眠っている間でも、一晩中窯を見守る人がいる、それも何日間も。作品を焼いて頂ける有難さを感じ、ますます焼きあがりが楽しみです。
大勢でおしかけ、お仕事の邪魔をしてしまいましたが、いつも温かく私達の活動に協力して下さる荻原先生と赤和窯のみなさま、本当にありがとうございました。