宗家研修(北信青年部)

宗家研修(北信青年部)
平成23年10月2~3日(日・月)

開催場所:宗家 参加者数:青年部16名 
講 師:中西宗修先生、指物師 村岡賢治先生

行事内容

 【一日目(10月2日)】   6:30長野駅出発13:00京都着
 13:30福寿園にて昼食、講演(指物師村岡賢治先生)、呈茶
 18:00麩屋町左近太郎にて懇親夕食会(東京:すみだ青年部・杉並昴青年部)
 【二日目(10月3日)】   9:00ホテル出発9:30裏千家学園にて開講式
 10:00講義研修 演題「点前道具の謂れ、取り合わせについて」  講師 中西宗修先生
 11:30昼食・茶道資料館見学
 13:00御祖堂参拝・茶室拝観・呈茶 タクシーにて大徳寺へ移動。
 15:00大徳寺にて金毛閣・聚光院拝観、利休居士墓参
 16:30解散 ホテルにて着替え 18:00京都発  24:00長野着

所感

 10月2日、3日宗家研修に行かせていただきました。
 第一日目はバスで京都到着後、福寿園本店内のレストランでほうじ茶、緑茶などを使用したフレンチのラン
チコースを頂いた後、同店内の茶室のあるフロアーにおいて指物師の村岡賢治先生による箱についての講演をお聞きしました。普段は箱の中身のお道具や箱書きの筆文字を注目することはあっても、箱自体についてはあまり考えたことがなかったので、このような仕事の世界があることに改めて気付かされました。
箱書きをする御家元の筆を傷めないよう細心の注意をはらい木を磨く、ゆがんだ形のお道具でもピタッとおさまりの良い箱を作ること、木地の木目と箱書きの字の配置の関係などのお話をお聞きし、先生もおっしゃっていたように「たかが箱、されど箱」この世界の奥深さを知ることがきました。 夕食の懇親会では明日の宗家研修をご一緒させて頂く東京すみだ青年部、杉並昴青年部の皆さんと顔合わせ。お互い初対面でしたが、今日は京都でどこを見学してきたのか、普段はどんな活動したりお茶会を開いているのかなど次第に話も弾みました。また茶室建築家飯島照仁先生をお迎えしまして茶室のお話などお聞きすることができ、大変有意義なものとなりました。 
 第二日目。朝のすがすがしい空気を感じながら、着物で大通りを歩き兜門へ。裏千家学園での開講式でこの秋のよき日、五感をフル活用して宗家研修を楽しんで!とのお言葉を頂き、今日はこれからどんな一日になるのだろうとワクワクしてきました。午前中は中西宗修先生による講義。演題は「点前道具の謂れ、取り合わせについて」でした。普段身の回りにある洋食器でも工夫次第でお茶会ができること、自分が楽しむ道具の取り合わせで自分の楽しさにお客様を引き込むこと、基本を知ればあとの応用は無限第で発想を柔軟にすることが大切であること、今後の青年部の活動のヒントになりそうなことをたくさん教えて頂きました。
昼食後、茶道資料館を見学し、いよいよ兜門をくぐりました。かすかに金木犀の香りがする手入れの行き届いた路地、丁寧に磨かれた廊下には長い年月この建物を守っているうさぎ達、梅の形の滑車から名前がついた梅の井、代々の家元が出座されている茶室など過去と現在が強くつながっている空間にいる不思議と感動で胸がいっぱいになりました。美味しいお菓子をお抹茶を頂きながらこのまま時間が止まればいいのになと思いました。名残惜しい気持ちを振り切り、次は大徳寺へ。金毛閣の朱赤の階段をあがり、利休像と長谷川等伯の龍の天井図を、聚光院では襖絵、お茶室を拝観し、最後に利休居士の並びに歴代宗匠のお墓参りをさせて頂いて2日間にわたる研修が終わりました。
 同門の中でも宗家参拝が叶わない方々や、また震災の被害にあわれた同門の方々もいらっしゃるなか、このような貴重な経験を頂けたことを有難く思い、宗家、裏千家学園、また同門の皆さま、また自分の日常を支えて下さっているすべての方に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
今回の参加者のうち宗家研修に初参加という方は半数でした。私もその一人ですが、お稽古を始めた時はこのような機会に恵まれることは思ってもみなかったので、青年部に入って本当に良かったです。見るもの聞くもの初めてのものばかりで雰囲気に圧倒され余裕がなかったこともあるので、いつかまた訪れるの次回のためにもっと稽古に励み勉強をして、また違った気持ちで宗家研修に臨みたいという新しい目標ができました。